こんばんは、割安株への投資が趣味のブログ主です。
今日は、ニトリの株を買うかどうか検討してみた結論とその根拠を記載していきたいと思います。
まずは基本情報です。
【9843ニトリホールディングス】
・時価総額:1.4兆円
・株価:12030円(2022年10月17日終値)
・一株利益:909円(※1040億円/1.144億株)
・配当/利回り:147円(2023年予想)/ 1.2%
・PER:13.2倍(ただし、アナリスト予想を12ヶ月に補正した値ベースだと17.2倍)
※会社予想値(2023年3月期は変則で13ヶ月分)
【売上と利益】ここ10年↓
【株価の推移】ここ10年↓
株価は、ピークからは半値程度で、2016年レベルまで下がってきてますね。売上と利益はその間にも増加してますので、RERはようやくリーズナブルな領域に下がってきたと言ってもいいでしょう。
ただし、2023年度の会社予想利益は、当初予定を据え置きしており、最近の急激な円安による減益見込みを反映していません。ニトリの場合、1円の円安で通期20億円の減益とのことで、22 年9月までは115円で為替予約していたことを考慮すると、為替予約してない残り半年分として、為替差30円分 x 20億円 x 0.5年=300億円の営業利益減が見込まれます。
実際に22年10月のアナリスト予想だと、※の通期純利益は867億円となってます。この値からPERを算出すると15.9倍。ただし、これは13ケ月分なので(22年は2月締めで23年は3月締め)、通常の12ヶ月分に割り引くと、PER17.2倍となります。このあたりが今の株価の指標に近いと考えて良さそうですね。
以前はRER20倍以上という、今後の成長を織り込んだ株価だったのが、仮に今後の成長なく業績横ばいだとしても、まあまあ許容できる株価になってきたという感じです。
さて、今後のニトリ株価見通しについて、懸案と期待を含めて、以下の観点で整理してみます。
1.為替
ニトリは輸入企業と考えて良いので、円安で損失、円高でメリットとなります。今の為替(1ドル148.6円)は、かなり厳しい状態のはず。相場読みに定評のある似鳥会長は、今後はゆるやかな円高を予想してると言われています。確かに今の円安は、購買力平価や日米インフレ率からすると行き過ぎだと思われ、いずれ本来あるべき位置(円高)に戻るはずですが、問題はそれがいつになるかわからないことですね。今の為替が続くと相当厳しいことになりそうです。逆に早めに円高方向に動けば、いまの株価は割安水準で買い時だった、ということにもなりえるでしょう。
2.国内販売
既に国内家具のシェアはある程度確保し、店舗展開もひと段落ついたと思われますので、ここから大幅な伸びは期待できそうにない。アパレルや外食への進出も、それほど劇的な効果があるとは思えない。ニトリ最大の強みは、企画、製造、仕入れから輸送、販売まで一気通貫で行う体制にあると言われますが、それを最大限活かせる業界とは思えませんからね。衣料は既にユニクロがやってるし、外食産業もライバル達が既に同じことをやっていて、ニトリならではの強みを活かせる業界なんでしょうかね? まあ、島忠ホームズとの相乗効果はある程度期待できるとは思いますが。
よって、日本国内での売上や利益は今後も安定して少しずつ伸びていき、激的な向上もないけれど大幅な減少もないのでは、と予想してみます。
3.海外展開
赤字続きだったアメリカからは撤退を表明しました。中国は40店舗程度を展開中ですが、業績は冴えないとの記事が見られますね。今後は、アジアに力を入れていくとのことで、シンガポールやマレーシアで出店開始したようです。現地の評判は悪くはないようですが、今後の店舗や売上・利益の拡大につながるかどうかは未知数です。
そもそも気になるのは、シンガポールとマレーシアを合わせても人口は4000万人程度で、商圏としてはそれほどではない。巨大マーケットのアメリカや中国がダメとなると、今後どこの市場で拡大できるんでしょうかね? 2032 年に売上3兆円(2022年の売上は9000億円)を目指すのであれば、中国を伸ばさないとダメそうですが、大丈夫でしょうかね?
さらに蛇足ながら気になったのは、アメリカでのブランド名「AKi HOME」です。このAkiは創業者であり、絶対存在(おそらく)である似鳥昭雄会長の名前から取ったとのことですが、ブランド名みたいな大事なものを、そんな個人の趣味みたいな根拠で決めていいんでしょうかね? もっとアメリカ人の意見や市場や文化を重視して決めるべきだったのでは?と他人事ながら気になりました。まあ、会長自ら「アキにする!」と言えば、社内には反対できる人はいなさそうですけどね。ニトリ内部での会長の立ち位置を示してるように思えて、少し気になりました。
ということで、海外展開はあまり期待せずに伸びればラッキーくらいに考えておくのが良いかもしれません。
さて、ここでブログ主がよく参考にしてる「つばめ投資顧問」のニトリ株の分析記事のリンクを貼っておきます。売上や利益の推移が分析されてます。この時点(22年4月)の株価14000円から、さらに1割以上安くなってますので、そろそろ本気で買いの検討したくなってきた、というのが背景にあります。
ニトリ なぜ35期連続増収増益なのに株価は下がっているのか? | つばめ投資顧問
ちなみに、このつばめ投資顧問、バリュー株志向がブログ主と同じであり、投資についての考え方に共感できるので、普段からかなり参考にさせてもらってます。無料のWEB記事とユーチューブチャンネルからだけですけど。
ここまでをまとめてみます。
【買いたい理由】
・高収益のビジネスモデルを確立してる
・今は円安影響で株価が安くなってる
【買いたくない理由】
・今後も円安が続けば、さらなる減益必至
・海外展開の成功が見えず、今までのようなペースで増収増益を続けられるか疑問
売上や利益は今度あまり伸びない可能性はあるが、為替が円高に戻ればそれだけで業績の改善は期待できる。なので、今の利益水準が続いても割安と考えるなら買うのはアリと思います。今後円高に動いた場合には、日本株全体としては下げることになると思いますが、そのときのリスクヘッジにもなりそうです。
さて、以上の分析の結果の買いかどうかの判断ですが、ブログ主の結論は、
「もう少し待って、さらに安くなるようなら買いを検討したい」
となりました。
今の株価12000円で買っても悪くはないと思いますが、市況(株全体と為替)がさらに悪化する可能性があること、さらに連続増収増益の記録が止まるニュースを嫌気した投げ売り、などによりさらに株価下落の可能性があるので、それを待ってみたい。
待つことで買いそびれる可能性もありますが、そのときは縁がなかったと諦めるしかない。なにせ100株買うだけで100万円超えですから、購入はどうしても慎重になってしまいます。
ということで、今日の判断は待ち、としましたが引き続き見守っていきチャンスを待ちたいと思います。
みんなで、株買おうー!
それでは、また!
↑ブログ主は読んだことありませんが、なかなか面白そうなので、貼っておきます。