日経平均225という株式指数があります。これは日経新聞が設定した指数なのですが、この値が「日経平均株価」として毎日報道され、日本の株価を代表する指数のように扱われてます。でも、この日経平均は日本の株価を代表する指数としてはあまりふさわしくないと思ってます。というのは、一部の会社の株価だけが指数に大きな影響を与えていて、構成比率が偏っているためですね。
一方で日本にはTOPIXという指数もあって、これは東証の全社が対象で、時価総額の加重平均なので、こちらは日本株全体を代表する株価指数とみなしてほぼ差し支えないと思います。実際に、日銀が購入するETFの対象も日経平均からTOPIXに変更となりましたね(21年4月)。
でもこのTOPIXがあまり一般的に広まらないのは、その単位が円じゃない、ことが主な理由ではないかと思ってます。「本日の株価指数1800ポイント」といわれても、それが高いのか低いのか全くイメージできませんが、「株価25000円」なら、なんとなくわかりやすい。日経平均が幅を利かせてる理由は、単純にこんなところなんじゃないかと思います。
さて、その日経平均の構成銘柄の比率一位は長らくファーストリテイリング(ユニクロ)で、2022年時点では、二位になったようですが、その比率は以前は10%を超えていたようです。最近は、半導体高の影響もあって、東京エレクトロンが一位のようです。
そして、このような一部の会社が日経平均への寄与が大きい理由は、つまらないことに単に「値がさ株」(1株の値段が高い株)であるからのようです。株式会社のトータルの価値(時価総額)は、(株価 )x(発行済株数)で決まるので、1株単価が高いことにたいした意味はないのですが、日経平均への寄与が大きいということで、大きな顔をしているように思います。
ちなみに、今後日経平均に新たに組み込まれる銘柄は、値がさ株だからといって大きな比率にならないように調整されるようですが、すでに組み込まれてる銘柄はそのまま既得権益状態になっているようですね。
これら東京エレクトロンやファーストリテイリングを個人で買うには、500万円以上必要になります。東京エレクはともかく、ファーストリテというB to C企業が、こんな高い1株単価のままにしてることには、ちょっと思うところがあるのですが、この件はいずれまた書きたいと思います。
話が少し逸れましたが、日経平均株価って、一部の値がさ株の影響が大きくて、日本株全体を代表するようなものでないってことは知っておいていいと思います。
とはいえ、1989年の日経平均株価の過去最高38915円を超えるまでは、日経平均は追いかけていくことになるんだろうと思ってます。構成銘柄も計算方法も変わってるから、当時の値と直接比較することにそれほどの意味はないかもしれないけど、「30年以上ぶりに過去最高株価の値を更新する」ことにはとっても意味があると思います。「経済は発展し続けるし、それに伴って株価は上がり続ける」ということを日本人が思い出す、そのきっかけになることを期待したい。今はまだバブル崩壊の後遺症を引きずってるように感じるので、それを忘れるいいチャンスになるのではないでしょうか。
ということで、日本株を持ったまま、その日が来るのを待ちたいと思います。では、また!