ゆるーくFIREを目指すブログ

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4年前の西野監督の判断が神だったことが数値で示された件

こんにちは、サッカー観戦好きのブログ主です。

まずは、2022ワールドカップ出場決定おめでとうございます!最終予選の初期は苦戦しましたけど、終わってみれば1試合残しての予選通過。これまでに積み上げてきた日本サッカーの力を証明する結果になりました。

さて今日は、2018サッカーワールドカップの予選リーグ最終戦、日本対ポーランド戦で西野朗監督が採用した、残り10分間からのボール回し作戦(こちらが点を取りに行かない代わりに、相手にも点を与えずに試合を終わらせる作戦)について、その有効性をデータ検証した結果を示してみようと思います。

その結果、西野監督の判断が的確すぎたことが示されたので、改めてその判断を称えたいと思います。

【前提】

・予選リーグ最終戦を前に、勝ち点は、日本4 セネガル4 コロンビア3 ポーランド0。対戦カードは、日本−ポーランドセネガル−コロンビア。

・得失点とフェアプレーポイントから、たとえ日本が負けても、セネガルが最終戦で「勝つ」または「日本以下の得失点差で負ける」または「同じ得点差だが、日本と同じかそれ以下の総得点で負ける」と、日本の勝ち上がるという状況。

・最終戦は同時刻開催で、試合残り10分の時点で、日本0−1ポーランドセネガル0−1コロンビア。よって、残り10分間でどちらの試合も点が入らなければ、日本が勝ち上がれる、という状況。

・結果として、日本とポーランド、コロンビアとセネガルの両方ともに点が入らずそのまま終了したため、日本の決勝トーナメント進出が決定した。

西野監督の作戦】

自力で勝ち上がるためには1点が欲しい試合残り10分で、西野監督は攻撃をやめ、ボール回しを選択。日本が点を取りに行って、逆に失点すると敗退してしまう状況を考慮し、このままの点差で試合を終わらせる作戦に出た(以降、無得点かつ無失点作戦と呼ぶ)。すでに決勝トーナメントに残る可能性のないポーランドは、何もしなければこの試合には勝てるということで、無理にボールを取りに来ることもなく、そのまま試合は終了となった。

同時刻のもう1つの試合の残り10分以降で、もしセネガルが点を取ると日本は敗退となるが、セネガルが点を取れなければ日本は勝ち上がりとなる。つまり、日本は自力で点を取って勝ち上がるより、セネガルが点を取れずに終わる方に賭けたのだが、果たしてこの判断が適切だったのか検証を行った。

 

【検証結果】

残り10分から日本が普通に戦った場合に決勝トーナメントに進出する可能性は77.8%。一方「無得点かつ無失点作戦」を選択した場合は85%。

決勝トーナメントに進出できる可能性は、この作戦をとることにより7.2%上がる、ことがわかりました。

(逆にいうと、進出できない可能性は22.2%から15%へと下がる)

 

【計算の前提】

・あるチームが10分間の間に1点を取る可能性を15%と設定(この前提の場合にそのチームの1試合平均得点は1.35となり、サッカーとしては妥当な設定)

・普通に戦う場合、残り10分で日本またはポーランドのみが1点を取る確率は12.8%ずつ。両者無得点の確率72.3 %。両者1点ずつの確率2.3%。

・無得点かつ無失点作戦の場合、両者無得点の確率100%と設定。

 

【結論】

残り10分からの作戦遂行により、決勝トーナメント進出の可能性が7パーセントも高くなるということで、その西野監督の適切な判断を改めて称えたいと思います。

おそらく監督はこれまでの経験から、少ない残り時間からはこの作戦を選ぶことで勝ち上がれる確率が上がる、と感じて実行したのだと思うが、その勝負感の鋭さと裏目に出たときの批判も覚悟の上で実行したその根性に最大限の敬意を表したい。

どなたか西野さんの知り合いの方がいらっしゃいましたら、いちブロガーが絶賛していたとお伝え下さい。

 

いやー、でもあのボール回しを始めた時は、いったい何をしたいんだろうか、と理解できなかったですよね。こうして改めて検証してみると、あの判断の的確さが浮き彫りになりました。

また、残り何分からあの作戦を取るのがいちばん有効かも別に計算しましたので、その結果も後日記載したいと思います(それもやはり西野さん天才、を裏付ける結果でした)。

ということで、本日の結論は、西野朗監督は天才!ありがとう。西野監督を育てた日本サッカー界バンザイ!ということで、今後の日本サッカーのますますの発展を期待したいと思います。

それでは、また!

 

 

【補足 計算内容】

■普通に戦う場合に日本が勝ち上がる確率は、以下の4パターンの合計:77.8%

・日本のみが1点とる:12.8%

・日本とポーランドは無得点で、かつ、「コロンビアとセネガルが両者無得点」または「コロンビアのみが1点」:72.3% x (72.3%+12.8%)=61.4%

ポーランドのみ1点で、かつ、コロンビアのみ1点:12.8% x 12.8%=1.6%

・日本とポーランドがともに1点、かつ、「セネガルのみ1点以外」:2.3% x(100%−12.8%)=2.0%

■無得点かつ無失点作戦の場合に日本が勝ち上がる確率は、以下の1パターン:85%

・日本とポーランドは両者無得点が100%なので、「コロンビアとセネガルが両者無得点」または「コロンビアのみが1点」:100% x(72.3%+12.8%)=85%

※10分間に同一チームが2点取る可能性は低いため考慮せず